赤ちゃんの舌にカビが生えた?
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院長の中村ケンタロウです。
「舌にカビみたいなのができてる」
相談を受けたのは生後4ヶ月の赤ちゃんのお母さん。
赤ちゃんの口の中を見ると舌に緑色のものがポツポツとあります。
「これはカビですね。」
「やっぱりそうなんですか?口の中にカビが生えるんですか?大丈夫ですか?」
赤ちゃんにも口内炎はできます。でも、ミルクカスのような白い苔のようなものが舌や頬の内側の粘膜にたくさんできていたら注意が必要です。カビが生えているのかもしれません。正確には「鷲口瘡(がこうそう)」、あるいは「カンジダ性口内炎」とも呼ばれる口内炎の一種で、生後半年ごろまでの赤ちゃんがなりやすいです。
常在菌である「カンジダ」が原因
鷲口瘡(カンジダ性口内炎)は「カンジダ」というカビ(真菌)によるものです。カンジダは常在菌として普段から私たちの皮膚や腸内にいるものであり、通常は特に気にする必要はありません。抵抗力が弱い赤ちゃんや抗生物質を長期に服用していたりする場合には起こりやすいものです。
熱いミルクで知らぬ間に口の中をやけどしたり、時には乳首を介してカンジダをもらったりしますので、ミルクの温度や乳首をこまめに消毒したり、清潔を保つように気をつけましょう。
無理にはがすと「出血」して痛む
一見、ミルクや母乳のカスと間違えやすいのですが、ミルクのカスは軽くガーゼなどでふくと取れます。しかし、鵞口瘡の白いカスは簡単にはとれません。ガーゼや綿棒などで強くこすったりすると粘膜が傷ついて出血したり、感染の原因になったりするので無理をして取ろうとしてはいけません。
鵞口瘡は何にも症状がないことが多いのですが、時にミルクの飲みが悪くなったり不機嫌になったりすることもあります。
ほとんどが「1〜2週間」で自然に治る
口の中を痛がったり、口内炎の量が増えたりするのでなければそのまま様子を見ても構いません。食事のあとに湿らせたガーゼハンカチや綿棒などで拭ってあげるといいです。1~2週間で自然治癒することがほとんどですが、鷲口瘡は抗真菌剤(塗り薬、シロップ)などを塗ることで比較的簡単に治癒させることができます。3日を過ぎても変化がないようであれば体調に問題がある可能性も考えられますので小児科を受診してみてください。
先に述べたように、カンジダはごくありふれた菌であり、神経質になる必要はありませんが、清潔を保つことで症状を押さえたり再発を予防したりすることができます。
(1)ママの乳首
(2)哺乳瓶
(3)赤ちゃんが使うタオル
(4)おしゃぶり
(5)おもちゃ
(6)食器類など
赤ちゃんが口に入れたり触れたりするものを、こまめに消毒しましょう。さらに、母乳であれば「授乳パット」をこまめに交換するなど、清潔に保つことが予防につながるでしょう。
ケンタロウ歯科 福岡市南区柏原1-2-2 / Tel 0120-37-1815