気圧の変化で歯が痛くなる❓
- 歯のコラム
こんにちは!歯科助手の岩井です。
9月を目前にいよいよ台風本番のシーズンとなりましたが、この時期の歯の痛みは、台風と関係がある場合がございます。
歯の中には歯髄腔(しずいくう)と呼ばれる空洞があり、普段は外の気圧と等しくなっています。
※歯の中心部の歯髄腔には血管や神経が入ります
しかし台風が伴う低気圧により歯の内部の空洞と外圧との差により痛みが生じやすくなります。
また鼻のすぐ横のあたりには上顎洞(じょうがくどう)という空洞も存在し、この空洞がわずかに膨らむこともまた歯の痛みを誘発させる要因となります。
これらの歯痛を『気圧性歯痛』といい、飛行機に乗った際にも同様に生じるため『航空性歯痛』とも呼ばれます。
『航空性歯痛』は特段珍しいことではなく、航空会社のホームページ【機内で発生症状とその対処法】では「~航空機が上昇・下降する際に歯が痛くなることがございます。痛みが酷い場合は機内に鎮痛剤がございますので客室乗務員までお声をかけて下さい~」と記載されています。
これらの歯痛は健康な状態の歯ではおこりにくいのですが、下記の場合は注意が必要です。
◎神経の治療を行っている途中◎
歯の根っこの中などに空気が存在する場合、離陸した時に気圧の変化によって空気が膨張し、神経を圧迫して痛みを伴うことがあります。
根の治療は、次回来院までのあいだに歯髄保護および根管の無菌的状態を維持するために窩洞や根管を一時的に封鎖する(仮封)しますが、あえて仮封をせずに内圧がかからないよう出口を作ったり、サンダラックという材料で仮封を行い、圧を逃がすようにするという方法もあります。
◎むし歯によって穴が空いている歯◎
むし歯によって表面のエナメル質に穴が空いてしまった場合、普段は痛みを感じることが少ないのですが、気圧の変化によって痛みが出る可能性があります。
◎親知らずの生えかけ、抜歯後◎
親知らずが生えかけの状態の場合、個人差はありますが、気圧の変化で痛みを感じることがあります。抜歯後も注意が必要で、抜歯後の状態が良ければ問題はないですが、飛行機に乗る予定がある場合は、親知らずの抜歯を受けるのは避けた方が無難です。
気圧の影響で歯の痛みに悩まされることのないよう、日頃から適切な歯磨きをして口腔内を清潔に維持し、むし歯の治療は最後まで行い、定期的な歯の検診を行うことが大切です。
万が一気圧の変化により一時的に歯が痛くなった場合は、むし歯があることが多いので、早めに歯医者を受診することをおすすめ致します。
ケンタロウ歯科 福岡市南区柏原1-2-2 / Tel 0120-37-1815