歯の根っこの治療ってどんなことやってるの?
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院長の中村ケンタロウです。
今回は歯の根っこの治療について説明します。
まずは歯の構造について
歯は3層構造になっていて、一番外側がとっても硬いエナメル質、その中に少し硬い象牙質、さらにその中に神経(歯髄)があります。エナメル質は歯の鎧の役割をしていて、ちょっと歯を磨かないくらいではむし歯になりません。
しかし、ずっと歯を磨かなければむし歯になります。そしてそのむし歯がどんどん大きくなっていくと、エナメル質から象牙質に、そしてさらに神経にまで及んでいきます。
歯の神経は痛覚といって痛みを感じる働きがありますので、神経までむし歯が大きくなると歯がズキズキ痛み出します。
「う〜、歯が痛いよぉ」この痛みは非常に強く、寝れないほどの痛みです。
そして痛みに耐えきれなくなり、歯医者に行きます。
歯には大きな穴が空いています。麻酔をして、むし歯を取り除きます。この時に神経を取るかどうかの判断基準の1つはむし歯を取り除いた後に神経が見えているかどうかです。神経が見えていれば神経にまで細菌が感染しているため神経を取ります。もし神経が見えなければ神経を取らずにセメントやコンポジットレジンと呼ばれる材料で埋めます。
ただし、神経は極力取らない方がいいですので、症状によっては神経が見えてもMTAセメントと呼ばれるセメントで封鎖することもあります。
ここでは歯の神経を取る治療について説明していきます。
むし歯を取り除いた後にファイルやリーマーと呼ばれる器具を使用して神経を取り除きます。神経は前歯であれば通常1本ですが大臼歯(奥歯)になると3~4本あり、また根っこの形状は複雑ですのでどうしても時間がかかってしまいます。
また、神経を取るときは出来るだけ歯の中を無菌に近い状態にしたいので、唾液が入らないようし、口は開けたままになります。ラバーダムと呼ばれるシートをつけることもあります。神経をキレイに取った後は仮ぶたをしてこの日はこれで治療が終わりです。この治療は患者様も口を開けたままで非常に辛いのですが、実は我々歯科医師も非常に疲れる治療です。
神経を取った後の歯は空洞になっていますので、そのままにしておくとやがて仮ぶたが外れ、細菌が入ってしまいます。細菌が入ってもすぐ痛みが出るわけではありませんので、そのまま放置される方もいます。
しかし、治療途中で放置しては絶対ダメです!!
なぜなら、治療途中の歯が再度むし歯になってしまうとさらに自分の歯がなくなり、最悪抜歯になってしまうからです!
神経を取った後は治療が終わるまで必ず歯医者に通ってください!
神経を取った後は、消毒薬(次亜塩素酸ナトリウム)を歯の中に入れ、洗浄をしっかりし、なるべく無菌に近い状態にします。
そして、歯の根っこの中が無菌に近い状態になったら新たな細菌が入らないように根っこの中にガッタパーチャと呼ばれる樹脂を詰めます(根管充填)。さらに、歯に根の上にファイバーポストとコンポジットレジンや銀合金を使い土台を作ります(支台築造)。ここまでしておけば細菌の侵入を防ぐことができます。
これが神経が生きている場合の歯の根っこの治療で、専門的には抜髄と言います。
実はもう1つ歯の根っこの治療があり、歯の神経が死んでいる、もしくは歯の神経を取っている歯に対して行います。
歯の神経が死んでいるとはどういうことかというと、もちろんむし歯のない歯であれば神経は生きているのですが、以前むし歯の治療をしていたり、咬む力が強くかかる歯に亀裂が入ることがあり、そこから細菌が入り込み、痛みを感じないまま神経が死ぬことがあるのです。
では神経が死んでいるかどうかどうやって判別するかというと、歯に弱い電流を流したり、冷たいものを歯にあてたり、エックス線撮影を行います。
神経が死んでいるとなれば、先ほど述べた手順で神経を取っていきます。
これは細菌が歯に入り感染を起こしている根っこの治療なので専門的に感染根管治療と言います。
以前歯の神経を取っている場合の根っこの治療は再度歯の根っこの治療をすることになるので再感染根管治療といいます。この治療では神経はもうなく、代わりにガッタパーチャが詰まっていますので、これをキレイに取り除き、歯の中を出来るだけ無菌に近い状態にします。あとの治療は同じです。
歯の根っこの治療は、来院回数が多くなることもあり、治療が長引くと患者様は何のために通院しているのか分からなくなり、来院が途絶えることもあります。
しかし、繰り返しになりますが歯の根っこの治療を中断することは絶対にやめてください!
あとで後悔しても手遅れになってしまいます!
もし治療途中の歯がある方は早めの受診をお勧めします。
ケンタロウ歯科 福岡市南区柏原1-2-2 / Tel 0120-37-1815