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アゴが痛い、、

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院長の中村ケンタロウです。

口を開けるとアゴがカクッと音がする方はいませんか?

これは顎関節症(がくかんせつしょう)といい、アゴの関節の病気です。

アゴに関節?

実は頭の骨(頭蓋骨(ずがいこつ))は下アゴの骨(下顎骨(かがくこつ))だけくっついていません。

頭蓋骨と下顎骨の間には関節があり、関節円板と呼ばれるクッションの役割を果たすものがあります。

下の写真の赤い部分が関節円板です。

そして口を開けて動くのは下顎骨のみで、口を開ける時はドアの開閉のような単純な動きではなく、下顎が少し前にずれて口が開きます。

このときに関節円板も一緒に動くのですが、この関節円板がずれるとカクッと音がします

最初に顎関節症と言いましたが、顎関節や噛むときに使う筋肉(咀嚼筋)の痛み、顎関節の音、口が開かない、顎が自由に動かない、などをトータルした病名です。

顎関節症の方は20~40代で女性に多く見られますが、高齢になるほど減っていきます。

病態としては、①噛むときに使う筋肉(咀嚼筋)の痛みによる障害(咀嚼筋痛障害),②顎関節の痛みによる障害(顎関節障害),③関節円板による障害(顎関節円板障害)および④下顎骨の変形による顎関節症(変形性顎関節症)です。

【顎関節症の原因

実は顎関節症の原因は不明なことが多いです。

日常生活を含めた環境によるもの・行動によるもの・宿主によるもの・時間によるものなどの色々な要素が積み重なり、耐性を超えた場合に発症するとされています。

<日常生活を含む環境

緊張する仕事,多忙な生活,対人関係の緊張など

行動

硬い物を噛む,楽器の演奏,長時間のパソコン業務,重たい荷物の運搬,ある種のスポーツなど

また、癖として,日中の歯ぎしりや食いしばり・姿勢,寝ている時の歯ぎしりや食いしばり・姿勢など

宿主

咬み合わせ,関節の形状,痛みを感じる閾値,パーソナリティ,睡眠障害など

時間

悪くなる原因やそれが続く要因となるものに対する時間の長さなど

顎関節症の治療法

基本的には自然経過!!

顎関節症の自然経過を調べた研究では,顎関節症は時間経過とともに改善し,治癒していく疾患であることが示されています。

顎関節症患者の自覚症状は保存的治療によって良好に緩和することが多いようです。

また、日常生活での生活指導悪い癖をやめることも大事です。

生活指導

リスク因子としての,硬い物を噛む,長時間噛む,あるいは楽器演奏, 重量物運搬,ウエイトトレーニングなどによるくいしばり,日中の姿勢や寝姿などを改善。

特にスルメやフランスパンなどの 繊維質で硬い食物により発症,悪化することが多く,また硬いガムの過剰な咀嚼による症状発現も多いので禁止。

入眠障害や中途覚醒などの睡眠障害が認められる場合は,その改善のための加療が必要となることも。

悪い癖を直す

長時間のパソコン業務,単純作業,編み物,絵画,料理などによる日中の歯列接触癖(上の歯と下の歯が当たる癖)は是正が必要。

*リラックスしている状態では上の歯と下の歯は当たらない。

睡眠時ブラキシズムについて自覚的,他覚的症状があれば,治療の対象。

また,頬杖や重い荷物の片側持ちなどをやめる。

咀嚼筋マッサージ

マッサージは指でさする,揉む,押すなどの方法で,身体に刺激を与え,局所の血流量の増加や組織の可動化,痛みの緩和をはかるものです。

朝と晩に 5~10 分,特に筋は温めたほうが良いので風呂に入ってゆっくりマッサージしましょう。

直接的な筋への刺激効果もありますが,下顎をリラックスさせて行うので,歯列接触癖や噛みしめる癖のある患者様にとっては「普段何もしていないときは,歯が接触せず,筋も緊張していない」ことを経験,学習させるという二次的な効果もあります。

あたためる(温罨法)

ホットパックなどを用いて,組織の温度を上昇させることにより,血管の拡張,血行の増大,筋の伸展性の増加,痛みの緩和,筋緊張の緩和などの効果があると されています。

口を開けるストレッチ

親指を上顎犬歯,人差し指を下顎にかけて指をクロスさせ,鏡を見ながら力を加えてまっすぐ口を開けます。片手ずつ交互に行いましょう。最大開口の緊張状態から少し力をいれて,「1,2,3」とゆっくり数えて10秒程度ストレッチを行います。これを朝と晩5~10回繰り返します。入浴中に体をゆっくり温めてからやると良いでしょう。

薬を飲む(薬物療法)

痛みが強い場合は消炎鎮痛薬(痛み止め)を飲んで炎症を抑える。

マウスピース治療

歯全体あるいは一部を硬いものや軟らかいプラスチックの材料で作ったマウスピースで覆い,咀嚼筋をリラックスさせたり、顎関節にかかる負担を軽減させます。原則として夜寝ている時に使用します。

 

他にも治療法はありますが、当院で行なっている治療は上記の治療になります。

たくさん書きましたが、顎関節症は完全に治ることが難しいため、上手く付き合っていくことが大切です。

治療のゴールを,症状の完全消失ではなく生活に支障がないレベルに設定するといいと思います。

口を開けた時にカクッと音がしても、こういうものだと思ってください。

実は私も顎関節症でいまだに口を開けると音がなりますし、あくびをして大きく口を開けるとアゴが外れることがあります(笑)

もしもっと専門的に診てもらいたいのであれば口腔外科を紹介しますのでご相談ください。

ケンタロウ歯科 福岡市南区柏原1-2-2 / Tel 0120-37-1815

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