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よく噛んで食事していますか?part2

  • 歯のコラム

こんにちは、歯科衛生士の前田です。

前回のブログでは噛むときに使う筋肉である「咀嚼筋」について書きましたが、今回は毎日の食事などで、なにげなく繰り返している「噛む」という行為についてお話しします。

特に発育期には、「よく噛んで、味わって食べる」ことが歯や口の健康だけでなく、筋肉や心の発達にも重要であるといわれています。

この噛む力ですが 実際何キロ位の力が歯に
加わっているかご存知でしょうか? 

人間が思いっきり力いっぱい歯を食いしばった時にでる噛む力は、自分の体重に比例しているそうです。例えば、体重40㎏だとしたら噛む力は40㎏を出すことができます。

よく固いものを食べている人やスポーツジムなどで鍛えている人は歯を食いしばることが多いので、このような人は最大の噛む力が自分の体重以上になることもあるそうです。

また、食事の際に食物の食べやすい硬さは、 その方の噛む力の25%~30%程度が目安となるといわれています。

噛むという行為は歯を支える歯槽骨や骨を取り巻く歯茎、そして顎の筋肉に刺激となり、歯周組織全体を鍛えて丈夫にする効果を持っています。

軟らかいもの中心のあまり噛まない食生活を続けると、十分な刺激が伝わらずに、骨や筋肉は次第にやせ、歯を支える力が弱まってますます噛む力が衰えてしまいます。

また、筋肉が衰えると、嚥下機能に影響が出る事もあります。

そもそも軟らかい食べ物は、口に残りやすく、歯の表面に付着して細菌等が繁殖しやすくなるのです。

しかし、硬い物をたくさん噛んで摩擦等の生理的刺激を受ける事で、歯茎の血行がよくなり、歯周病菌への抵抗力を維持する事ができます。

集中の連続で脳が疲れてきたときにガムを噛むと、精神的な疲労が回復することも、最近の研究でわかってきています。

この「噛む」ことと「力」の関係がわかりやすいのがスポーツです。

上の歯と下の歯が合わさるとき、「噛んだよ!」という情報が脳の「運動野」という場所に伝達されます。 すると、脳はその情報を受けて刺激され、身体を動かす「骨格筋」などの反応や動きに影響を与えます。

ある実験では、ガムを噛んだあとに、「膝関節」の筋力を測定したところ、 ガムを噛まなかったときに比べて約8%も筋力がアップしていました。このことからも「噛む」ことは、筋力アップにつながり、 結果として質の高いプレーを生み出す可能性があるといえます。

野球のスイングで下半身が不安定だと良いバッティングができないように、あらゆるスポーツをするとき、安定した姿勢を保つことはとても重要です。

私たちの身体は、姿勢のバランスが崩れたときに、無意識に姿勢を元に 戻そうとして「抗重力筋」と呼ばれる筋肉が働きます。

その「抗重力筋」のひとつが、「噛む」ときに使う「咀嚼筋」なのです。 バランス能力と咀嚼筋には密接な関係があることが知られています。

日頃から良く噛んで、この筋肉を強化すること がバランス能力の維持・強化につながると考えられます。

最近は ふわふわ もちもち と言った
ワードをよく耳に👂します。
やわらかくて ほとんど噛まなくていいような食べ物がもてはやされていますが、よく噛んで 食べる事も意識してみてはいかがでしょうか。

ケンタロウ歯科 福岡市南区柏原1-2-2 / Tel 0120-37-1815

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